総合健診
Online ISSN : 1884-4103
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36 巻 , 2 号
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[特集]
   総合健診におけるメンタルヘルス
  • 川上 憲人
    2009 年 36 巻 2 号 p. 217-222
    発行日: 2009年
    公開日: 2011/12/22
    ジャーナル フリー
      この総説論文では、わが国の職場のメンタルヘルスの現状と課題、職場のメンタルヘルス対策の現状、そしてこれからの職場メンタルヘルスの対策について紹介する。わが国のメンタルヘルスは、増加する労働者のうつ病、経営から見たメンタルヘルスの重要性の増大、深まる職場の「社会格差」、職場でのいじめ、長時間労働に伴うメンタルヘルス不調、中小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の実施率の低さなどの課題に直面している。わが国の職場のメンタルヘルス対策は、厚生労働省の「労働者の心の健康の保持・増進のための指針」により、教育・研修と情報提供、職場環境等の改善、メンタルヘルス不調への相談対応、メンタルヘルス不調の労働者の復職支援の4つの実施事項を中心に展開されている。これらの対策は基本的なものであるが、これからの職場のメンタルヘルスの課題には十分対応できないかもしれない。これからの職場のメンタルヘルス対策の例として、企業組織のストレス評価と対策、うつ病の第一次予防、中小企業向けの復職支援サービスを紹介した。
  • 堤 明純
    2009 年 36 巻 2 号 p. 223-228
    発行日: 2009年
    公開日: 2011/12/22
    ジャーナル フリー
      健診時は,対象者個人および職場のストレス評価を行うには良い機会である。調査を行うに当たっては,調査目的を明確にし,測定対象を決定する。事業者および労働者に調査の意義を十分に理解してもらうようにする。調査結果を踏まえた対策を準備しておく必要がある。調査の施行および調査項目の選考に当たっては,調査によるコスト・短所を検討しておく。信頼性と妥当性の確認された既存の調査票を活用することが一般に求められる。労働者のストレスに対する知識を確認・向上する等の目的でクイズ形式の調査を試みることもある。調査は産業保健スタッフと共同して行い,有効に活用するようにする。
  • 峰山 幸子, 入交 洋彦
    2009 年 36 巻 2 号 p. 229-235
    発行日: 2009年
    公開日: 2011/12/22
    ジャーナル フリー
      当財団では、2004年よりEAP(従業員援助プログラム)としてメンタルヘルスサービスを事業化し、中国地方を拠点にもつ企業を中心にサービスを提供している。
      日本では、2000年のメンタルヘルス指針公示以降に事業場外資源によるケアへの期待が高まり、大きな発展を遂げてきたEAPであるが、アメリカ生まれのEAPとはそのサービスの目的や内容において相違点が見られる。アメリカのEAPは社員の業績や生産性の維持・向上を目的とし、労働者が意欲的に働くことを阻害するあらゆる問題に対応できるよう多岐にわたるサービスが提供されている。その中で、メンタルヘルス不調への対応はその一サービスという位置づけに過ぎない。それに対して、日本のEAPは同様の定義を掲げながらも、実際のサービスは企業のメンタルヘルス対策の支援が中核となっている実態がある。また、品質保証の問題においても、アメリカはCOA(Council on Accreditation)のような組織がEAPの機能評価・機関評価を行っているが、日本には客観的な立場からサービスの質を定期的に評価し継続的な改善を求めていくようなシステムが未だないと言わざるを得ない。アメリカにおけるEAPと日本におけるEAPでは、EAPが育ってきた背景や企業がEAPに求めるニーズが異なり、当然のことながらそれぞれの特徴があらわれてくるものと思われる。今後、EAP業界全体が企業ニーズに応えるべく発展を遂げるには、日本におけるEAPのあり方を見直し、課題を整理していくことが必要な段階に来ているといえよう。
      本稿では、労働衛生機関を母体とする当方でのEAP事業化の過程を報告するとともに、今一度、EAPという概念を整理し、日本におけるEAPの概況や今後の課題について言及したい。
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