抄録
このところの人々の健康志向には目を見張るものがある。人々にとって何が一番大切かと問われると、ほとんどの人が「健康であること」を挙げる。だれもが健康でありたい、元気に暮らしたいと望んでいる。健康であるということは、「身体に悪いところがなく、健やかなこと」と広辞苑にあるが、身体が自由に苦もなく動いていれば健康かというとそうではなく、生活習慣病のように外側からみえない病気を抱えている方もたくさんいる。
日常生活では「健康のため」というキーワードで溢れるほどの情報がメディアを通して私たちに届いている。無意識に摺り込まれているのか、サプリメントや健康食品を利用しないと健康ではいられないような錯覚を起こしている人も多いのではないか。
現代人は、豊かな生活と忙しい生活の中で、簡単に入手できる健康食品などを組み合わせて健康を買おうとしているようにも思える。こうした状況の中、今こそ「健康であること」を考え直す時期に来ているのでないか。
自身の健康状態を把握しようとする人は、人間ドックや健診を受けるが、受診者にとって健診施設にどんな思いや印象を受けているのだろうか。
ネット上で入手できる各種の健康や健診に対する意識調査から、多くの人々の意識を取り上げてみた。また、受診者の立場で健診施設に望むことを述べてみたい。