総合健診
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日本総合健診医学会 第40回大会
日本総合健診医学会 第40回大会・シンポジウム7 国際社会における健診
国際化社会における企業の感染症対策
濱田 篤郎
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 39 巻 6 号 p. 849-854

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抄録

 国際化時代の到来とともに、企業では従業員への新たな感染症対策の実施が求められている。
 第一には、近年急増している海外勤務者への対策である。この集団は経口感染症(旅行者下痢症、A型肝炎)や蚊が媒介する感染症(デング熱、マラリア)などのリスクが高く、派遣前の予防教育やワクチン接種、帰国後の早期診断・治療といった対策が必要になる。
 第二は、国内企業で働く外国人労働者への対策で、来日後に感染症を発病するケースが最近は数多く報告されている。雇用時の健康診断でスクリーニングを行うとともに、就労後も症状がみられた場合は早めに診療につなげることが大切である。
 第三は、世界的流行が危惧されている鳥インフルエンザへの対策である。この原因となるH5N1型ウイルスは高病原性新型インフルエンザとして流行する可能性が高く、企業としても職場対策を構築し、その流行に備える必要がある。これには2009年の新型インフルエンザ流行の経験が参考になるだろう。

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© 2012 一般社団法人 日本総合健診医学会
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