総合健診
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原著
Helicobacter pylori持続感染の空腹時血糖およびHbA1cへの影響についての検討:傾向スコアを用いた因果効果の推定
島本 武嗣山道 信毅岡田 実和田 亮一光島 徹
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 41 巻 2 号 p. 294-299

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抄録

【目的】本研究では、ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)の持続感染と空腹時血糖およびHbA1c(JDS)値との関係において、欧米における先行研究の結果が、H. pyloriの遺伝子型や毒性、2型糖尿病の疾病特性の異なる我が国でも支持できるのか検討した。
【方法】2010年1月から12月に亀田総合病院附属幕張クリニックにおいて、ピロリ菌抗体価測定とペプシノゲン判定による胃癌ハイリスク検診を受診した18,429名から、H. pylori、空腹時血糖およびHbA1cに影響があると考えられる因子を除外した16,046例を対象とした。多重ロジスティック回帰分析により算出した傾向スコア(Propensity Score:PS)を使用し、マッチング法とIPW(Inverse Probability Weighting)による因果効果の推定を行った。
【結果】空腹時血糖は有意な負の相関(リスク差:-0.8163、リスク比:-0.0087、 p < 0.0001)、HbA1cは有意ではない負の相関(リスク差:-0.0089、リスク比:-0.0017, p = 0.0682)と推定された。
【結論】H. pyloriの持続感染は、糖尿病のリスクを低下させる可能性が示唆されたが、ごく僅かな影響と考えられた。

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© 2014 一般社団法人 日本総合健診医学会
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