総合健診
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原著
相関係数を用いた受診者満足度分析による業務改善課題の抽出
松田 翼宮城 智恵美喜納 聡子屋良 真梨子デューラン ゆかり久田 友一郎
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2014 年 41 巻 6 号 p. 653-657

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抄録

【目的】浦添総合病院健診センターでは、受診者サービス向上と業務改善の目的で、年2回の受診者満足度調査を実施している。より効率的に改善課題を抽出するため、2013年に相関係数を用いた分析手法を導入した。
【対象】2013年7月30日から8月5日に医師の診察と保健指導を含む健康診断を受診した者。
【方法】5段階評価で回答を依頼した。有効回答のうち、「期待どおり」以上と回答した比率(%)を満足度とした。各項目と総合評価のSpearman順位相関係数(以下「相関係数」とする)を重要度とした。相関係数は選択肢に与えられた得点を用いて算出し、有意な相関関係をみとめた場合に、総合評価を高める重要な要素であると判断した。
【結果】満足度が低い要素(数値は満足度の偏差値)は「医師の接遇」(38.9)、「医師の案内や説明のわかりやすさ」(35.7)、「待ち時間」(28.9)、「料金」(41.2)であった。それらの重要度(数値は相関係数)は「医師の接遇」(0.624)、「医師の案内や説明のわかりやすさ」(0.664)、「待ち時間」(0.685)、「料金」(0.539)で、いずれも総合評価との有意な相関関係(p<0.01)をみとめた。
【考察】満足度が低い4項目は、いずれも総合評価を高める重要な要素であると判断した。満足度が低い順に「待ち時間」を第1の改善課題、「医師の接遇、案内や説明のわかりやすさ」を第2の改善課題に採用した。「料金」は経営面を考慮した上で検討する。

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© 2014 一般社団法人 日本総合健診医学会
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