総合健診
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原著
健診受診者におけるインターネット依存の現状
神戸 義人横田 春樹山本 侑子沼田 美和大沢 愛美成澤 勉横須賀 浩二内藤 祥裴 英洙
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 43 巻 5 号 p. 576-583

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抄録

 インターネットの普及、およびそのサービスの発展が著しく、インターネット依存(以下、ネット依存)の懸念が広がっている。また、メンタルヘルスや生活習慣との関連性も危惧されている。今回、当財団での健診受診者に対してネット依存に関する調査を実施し、ネット依存度をスコア化することで社会人におけるネット依存の現状を調査した。対象は当財団における2015年度の健診受診者のうち、235名を対象にネット依存の現状を調査した。調査は、Kimberly Young博士の開発したヤングテストを使用した。ネット依存度はヤングテストでスコア化(100点満点)し、40点以上でネット依存傾向ありと判断し、点数が高い方がネット依存度は高度となる。235名のうち、男性129名、女性106名。平均年齢は40.0歳、ネット依存度の平均スコアは34.2点。分布は、20代が44名でスコアが41.6点、30代が67名でスコアが34.9点、40代が87名でスコアが31.6点、50代以上が37名でスコアが30.1点であった。男女別では、男性のスコアが34.7点、女性が33.7点であった。ネットは若年者により多く普及していると言われており、今回の結果からも年代が低いほどスコアが高値となり、特に20代では約60%の回答者にネット依存傾向があった。ネット社会がますます加速する中で、ネットによる弊害も多く発生している。ネット依存による生活の乱れや体調不良等の増加も予測されるため、健診を通じてネット依存による危険性の啓発を検討したい。

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© 2016 一般社団法人 日本総合健診医学会
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