日本総合健診医学会の事業の一つである精度管理調査には現在約360施設が参加している。データの多くは問題なく評価できているが、血液検体検査においては管理用試料(管理血球)の違いによりメーカー・機器を横並びに評価することができず、メーカーごとに管理血球を変えて評価せざるを得ない状況が続いてきた。この課題を解決すべく、2016年、2017年の第3回の調査に合わせてそれぞれ正常域と異常域を示すように設定した新たな管理血球を用いて全参加施設にパイロット的に測定を依頼した。パイロット試験には各回ともに参加施設数の97%を越える施設に協力していただいた。一部のメーカーの一部の項目で測定モードに起因すると思われるマトリックス効果がみられた。これらデータと入力ミスと思われるデータを除外した血球関連8項目のすべての調査において、変動係数は10%未満の良好なデータを示した。