総合健診
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原著
3年間の生活習慣の変化が体重増減に及ぼす影響
上村 精一郎宮脇 龍一郎柴田 優子今任 拓也畝 博
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2019 年 46 巻 2 号 p. 259-265

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抄録

【目的】特定健診で使用される標準的な質問票を用いて、3年間の生活習慣の改善あるいは生活習慣の悪化により、体重がどのように変化するか、縦断的に検討した。

【方法】対象は2012年と2015年の両年度の特定健診をともに受診した40-59歳の男性3,715人である。3,715人のうち、メタボリック症候群(メタボ群)の判定区分でメタボ群とその予備群に分類された1,425人について特定健診で使用される標準的な質問票の生活習慣項目を用いて、3年間における生活習慣の変化と体重増減について分析した。

【結果】運動習慣、身体活動、就寝前の2時間以内の夕食および夕食後の間食が改善した群ではその悪い生活習慣を持続した群と比べて、有意な体重減少が認められた。一方、身体活動と夕食後の間食が悪化した群ではその良い生活習慣を持続した群と比較して、有意な体重増加が認められた。また、行動変容ステージが無関心期~準備期から実行期・維持期へ前進した247人では無関心期~準備期に留まった群と比べて有意な体重減少(-2.085kg)が、逆に、実行期・維持期から無関心期~準備期へ後退した168人では実行期・維持期に留まった群と比較して有意な体重増加(+0.982kg)が認められた。

【結論】3年間における生活習慣の変化と体重増減に関する分析を行った結果、生活習慣の改善を促す指導とともに、良い生活習慣が悪化しないように支援することが重要であることが示された。

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© 2019 一般社団法人 日本総合健診医学会
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