総合健診
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実践報告
表計算ソフト(エクセル)と一次元バーコードを活用した確実な検体受領管理システムの構築
半田 卓安達 良弘三澤 敏信土屋 修平佐藤 友晴後藤 敏和菊地 惇
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 50 巻 2 号 p. 269-273

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抄録

 短時間に多数の尿検体を受領する大学の学校健診に於いて、持ち帰った尿検体が、健診システムにて予約登録された数より不足するという事例が生じた。確実な検体受領管理を行うシステムの構築を目指した。従来法では、尿検体受領ブースにて担当者が、事前に健診システムから印刷されたバーコードラベルを尿検体に貼付し、受診票及び一覧用のチェックシートに手書きチェックしていた。一覧用のチェックシートは尿検体数のみの把握で過不足が生じた際に個人が同定されず、チェック忘れにより検体数の方が多くなることがあった。構築システムは以下の如くである。事前準備として、実施主体から受領した受診者名簿情報を健診システムへ予約登録する。その際、受診票と共に印刷される各個人の健診月日、受付番号を表す一次元バーコードが印刷された尿検体ラベルを受診票にホッチキス留めし、ファイルに挟める(従来通り)。健診システムへ登録した個人属性情報を含む予約情報をデータ出力し、「尿検体確認用エクセルシート」へ取り込む。空の尿検体用スピッツは当日配布し、受診者は尿を採取する。採取した尿検体の受領は尿検体受領ブースにて職員2人で行う。職員Aは受診票にホッチキス留めされている尿検体ラベルをスピッツに貼付し職員Bに渡す。BはPCに接続されたバーコードリーダーにて尿検体ラベルを読み込み、「尿検体確認用エクセルシート」画面に表示される氏名を読み上げ、受診者へ本人確認をする。検体を尿ラックに格納し終了。検体持ち帰り時は、蓄積した読み込み件数と尿検体数が合っているかを確認し持ち帰る。本システムを、同校の健診で活用し極めて有効であった。【結語】検体受領時の本人確認をバーコードラベルで読み取ることで、エクセルを活用したシステムで確実に受領(通過)管理を行う仕組みを構築した。

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© 2023 一般社団法人 日本総合健診医学会
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