2023 年 50 巻 2 号 p. 274-283
これまで企業健診、自治体健診に意識されてこなかった、女性の健康課題とその対策・予防について概説する。性差と年代リスクに基づいた女性検診や相談体制を整備することによって、月経や更年期の不調への対応力が増すばかりでなく、婦人科疾患や甲状腺疾患、膠原病、貧血、葉酸不足など、不妊や出産時リスクを減らし、安全な出産と産後就労に貢献できる。また、マイノリティの人権への理解が深まり、性差別、性暴力、小児虐待やD V、セクハラの予防となり、ダイバーシティ推進につながる。どの健診も検診も、人材育成、企業発展への投資となりうることを意識していただきたいと思う。