2023 年 50 巻 6 号 p. 575-582
心電計に搭載されている心電図自動解析機能は、医師による主観的な診断に加え、客観的なダブルチェックをおこなうことで診断基準を統一化でき、判読医の個人差に影響されず、再現性のある結果を得ることができる。計算が複雑な電気軸などの計測値も簡単に得られ、大量の心電図を短時間で解析することが可能であるため、集団健診の場などで広く用いられている。
しかしながら、自動解析の結果は完璧ではなく、誤解析が生じることがある。
妥当な解析結果が得られない場合、検査環境を見直すことで結果が改善することがあり、特にノイズ対策を施すこと、フィルタ設定を見直すことは効果的である。
自動解析は決められた手順(アルゴリズム)に従い、処理しているため、原理を理解することで自動解析の結果について理解を深めることができ、日常診療に有用であると考える。
フクダ電子社製心電計に搭載されている自動解析を例として、計測処理、ミネソタコードおよび所見分類のアルゴリズムについて解説する。