総合健診
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50 巻, 6 号
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大会講演
第51回大会
  • 村田 尚寛, 小髙 明日香, 藤森 晶子, 西井 正造, 武部 貴則
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 533-543
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス

     心臓病、脳卒中、がん、糖尿病、および慢性肺疾患などの非感染性疾患「Non-Communicable Disease」が世界中で主要な死因となっている。これらの疾患は、日常生活での食事、運動、睡眠、人間関係、住環境、嗜好、仕事などの様々な因子が絡まりながら発症するものであることから、それらの予防のためには日常生活における行動変容が必要である。しかし健康関心層を除いた一般市民にとって未来の健康に向けて行動変容を起こすことは容易ではない。そこでわれわれは、新たな介入手法開発の起点として「ストリートメディカル」という新概念を提唱している。「ストリートメディカル」とは、医療の対象を「患者」から「生活者」へ、医療の現場を「病院」から「生活の場」へと拡張し、生活産業やエンタメ産業などで蓄積されてきた人々のHappinessに訴求するための知見・ノウハウを医療のアップデートに取り込もうとする試みである。

     本稿では、われわれがこれまでに取り組んだ「ストリートメディカル」実践例(1)「速歩促進・歩幅増大を企図した床面装飾デザイン施策」、(2)「軽度認知障害の早期検知を促進するためのデジタルゲーム」をそれらの効果検証の結果とともに紹介し、ストリートメディカルの実践イメージを共有する。更に、効果的な行動変容介入法の開発に向けて「PERMAモデル」というHappiness要素のチェックフレーム活用が有効に機能する可能性を示す。

  • 鈴木 信之, 上山 浩也, 八尾 隆史, 岩野 知世, 山本 桃子, 内田 涼太, 宇都宮 尚典, 阿部 大樹, 沖 翔太朗, 池田 厚, ...
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 544-548
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス

     Helicobacter pyloriH.pylori)感染率の低下に伴い、H.pylori未感染胃癌に遭遇する機会は増加し、さまざまな組織型の胃癌が存在することが明らかになってきた。H.pylori未感染胃粘膜に発生する発赤調、隆起型のラズベリー様の外観を呈する腺窩上皮型腺癌は、その特徴的な所見から“ラズベリー様腺窩上皮型腺癌”という名称で知られている。その一方で、H.pylori未感染胃粘膜に発生するラズベリー様の外観を呈する他の胃病変の存在が報告されている。それらラズベリー様外観を呈する胃病変をRSGL(raspberry shaped gastric lesion)と定義し、RSGLの組織学的分類別の内視鏡的・臨床病理学的特徴と内視鏡的鑑別方法について解説する。RSGLは、腺窩上皮型腺癌、胃底腺型腺癌、胃底腺粘膜型腺癌、過形成性ポリープ、PPI関連病変の5種類に組織学的に分類される。腺窩上皮型腺癌は均一な発赤を認め、上皮下腫瘍様隆起を認めず、腺窩辺縁上皮の形状は多角形/弧状のみで構成されている病変が多い。胃底腺型腺癌は不均一な発赤と上皮下腫瘍様隆起を認める病変が多い。胃底腺粘膜型腺癌は均一な発赤調と上皮下腫瘍様隆起を認める病変が多い。過形成性ポリープ・PPI関連病変は均一な発赤を認め、上皮下腫瘍様隆起を認めず、腺窩辺縁上皮の形状は多角形/弧状に加え線状/点状の混在を認める病変が多い。これらの内視鏡的特徴から作成した鑑別診断アルゴリズムは、RSGLの内視鏡的鑑別に有用である。

  • 矢郷 祐三, 安田 武史, 小林 匡, 太田 昭彦, 風見 明, 齋藤 英治, 河合 隆
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 549-559
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス

     東京都板橋区では2019年より胃がん検診(内視鏡検査)を、診療所8施設、病院10施設の参加で開始した。精度管理として2次読影が推奨されているが、読影の労務効率化は、検診実施施設を増やす上で必要な課題であり、検診導入の準備段階から板橋区医師会と板橋区でクラウド方式による読影システム導入の検討が進められた。その結果、クラウド方式による2次読影システム(富士フイルムメディカル社)導入が決定された。導入に向けては、個人情報の扱いが重要な課題となり、併せて各施設のPC・ネット環境の整備、運用方法の各施設への周知などクラウド運用業者との緊密な連携が必要とされた。板橋区胃がん検診(内視鏡検査)の特徴として、クラウド使用下の個人情報漏洩対策(内視鏡画像を含めた名前の非表示・検診用PC関連のルール策定)、参加施設で病院の割合の多さが挙がる。クラウド方式による2次読影では医師会館での集合方式ではなく、自院で2次読影が可能となる。特にコロナ禍においては、密を防ぐ意味でクラウド方式のメリットが存在した。一方、期限内読影、クラウドシステム内の必須項目の入力、撮像法のマニュアル遵守など重要ルールの検診実施医全てへの周知徹底は難しい課題であり、講習会や分かりやすい資料作成など、ルール周知を効率的に行う工夫が必要とされた。

  • 新倉 量太, 本田 徹也, 河合 隆
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 560-564
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】対策型胃癌検診において2016年から内視鏡検査が開始され、検診の精度向上が期待されている。対策型胃癌内視鏡検診は、内視鏡検査を実施した医療機関で行う1次読影と別な医療機関で実施する2次読影から構成されている。本研究の目的は、胃癌内視鏡検診の2次読影におけるAI診断の可能性を検討することである。

    【方法】長崎県にて実施した対策型胃癌検診の画像データを用いて、構築した胃癌内視鏡診断AI modelにて画像診断を行った。AI modelは胃癌疑いがある画像 (異常あり) と正常画像 (異常なし) に分類する判定を行った。評価項目は、患者単位の胃癌の感度、特異度、画像単位の胃癌の感度、特異度、異常あり判定の画像枚数、異常なし判定の画像枚数である。

    【結果】65人平均内視鏡画像枚数66.7枚 (標準偏差9.4枚) の受診者の内視鏡画像を解析した。患者単位の胃癌の感度は100% (6/6人)、特異度は20.3% (12/59人) であった。内視鏡画像単位の胃癌の感度は60.6% (54/89枚)、特異度は95.7% (4,067/4,252枚) であった。異常あり判定の平均内視鏡画像枚数は3.6枚 (標準偏差4.1枚)、異常なし判定の平均内視鏡画像枚数は63.1枚 (標準偏差8.8枚) であった。

    【結論】胃癌内視鏡診断AI modelは、対策型胃癌検診における2次読影に有用な可能性が示唆された。

  • 八島 正明
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 565-574
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス

     Einthovenらにより発明された心電図検査は100年以上の歴史を持つ。現在でも重要な検査として使い続けられている。心電図をコンピュータにより自動的に診断しようという試みは1960年代より始まっている。当初はアナログ波形をデジタル信号に変換する事すら困難であったが、1970年代には心電計、ミニコンピュータ、テレタイプライターの3台構成からなる自動診断システムが完成し、1980年代には1台の心電計の筐体のなかに自動診断機能、印刷機能が内蔵されるようになっている。自動診断の精度は、開発初期から正常波形については高かったものの、複雑な波形、小さな波形の診断については現在でも困難な事例も多い。心電図自動診断に関する問題を検討するために、研究者、企業の技術者、臨床医などからなる「心電図自動診断を考える会」が結成され議論が行われ、自動診断における、所見名、診断名の統一についてエキスパートコンセンサスステートメントが発表された。さらに自動診断の精度については、不適切事例の検討から、心筋虚血に関する過剰診断・過小診断が多数を占めるほか、頻度は低いが心房細動の誤診、ペーシングスパイクの見落としなども認められることが示された。自動診断の未来を考える上で、Apple Watchをはじめとするスマートウォッチの普及により、心電図表示機能を用いて、個人が自分の心電図波形を記録し所有する状況が起きている事には注意が必要であると考えられる。現在の自動診断の精度をより向上させるためには、従来のアルゴリズムを改良する事の他に、AI診断理論を用いたプログラムの有用性も示唆される。

  • 神馬 奈津子
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 575-582
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス

     心電計に搭載されている心電図自動解析機能は、医師による主観的な診断に加え、客観的なダブルチェックをおこなうことで診断基準を統一化でき、判読医の個人差に影響されず、再現性のある結果を得ることができる。計算が複雑な電気軸などの計測値も簡単に得られ、大量の心電図を短時間で解析することが可能であるため、集団健診の場などで広く用いられている。

     しかしながら、自動解析の結果は完璧ではなく、誤解析が生じることがある。

     妥当な解析結果が得られない場合、検査環境を見直すことで結果が改善することがあり、特にノイズ対策を施すこと、フィルタ設定を見直すことは効果的である。

     自動解析は決められた手順(アルゴリズム)に従い、処理しているため、原理を理解することで自動解析の結果について理解を深めることができ、日常診療に有用であると考える。

     フクダ電子社製心電計に搭載されている自動解析を例として、計測処理、ミネソタコードおよび所見分類のアルゴリズムについて解説する。

  • 和田 高士
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 583-591
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス

     健康診断の心電図検査では、自動診断機能を有した心電計が用いられることが多い。その診断としてミネソタコードが利用される。冠動脈疾患、心筋症などでQ波が現れやすく、臨床現場では重要視される。健康診断ではそのような症例は数少なく、むしろ生理学的・位置変化によるQ波のほうが多い。病的な場合は関連する複数誘導でQ波が出現しやすい。ミネソタコードは単一誘導でのQ波のみの所見であるため、偽陽性が多くなる。したがって、Q波に関するコード別に重症度の評価を行うことは限界がある。本稿では健康診断における心電図自動診断の課題、とくにQ波と、ミネソタコードで定められている両立しないコードについてとりあげ、心電図自動診断の観点からの対策について報告する。

  • 菊池 真大
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 592-594
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 渡邉 健太郎
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 595-599
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス

     糖尿病の最大の治療目的は合併症の発症および進展抑制により、非糖尿病患者と変わらない生活の質(Quality of life: QOL)と生命予後を確保することである。そのため糖尿病の早期発見・早期治療が求められている。発症早期から糖尿病治療を行えば、合併症発症進展予防や、膵臓のインスリン分泌能の低下を軽減することができ、将来の良好な血糖コントロールの維持につながる。そのため早期から糖尿病への受診勧奨および治療を行い、生活習慣への介入も含めた糖尿病の重症化予防に努めることが求められる。しかしながら、受診勧奨となる健診者のうち、医療機関に受診する割合は50%にも満たないのが現状である。その背景には糖尿病はかなりの高血糖状態にならないと自覚症状が出にくい、生活習慣への介入に抵抗を感じる、血糖コントロール入院による仕事への影響への懸念、職場に糖尿病に罹患していることがわかると自身のイメージに悪い影響がでるのではなどの糖尿病治療に対する負のイメージ、などが根底にあると考えられる。また、産業医においては、糖尿病で健康管理中の労働者をどのタイミングで専門医へ紹介するかを判断することが求められる。糖尿病専門医・内分泌代謝科専門医は糖尿病を含めた生活習慣病の早期治療の重要性を健診受診者や産業医に啓蒙していく必要があり、産業医との糖尿病診療連携を深めていくことが重要である。

  • 馬塲 紀行
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 600-605
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス

     乳癌健診で要精密検査と判定された受診者の方々を紹介していただいている立場からお願いしたいことがあります。

     健診結果報告書だけでは紹介状扱いにならないので、書式を工夫して紹介状として使えるような報告書があると便利です。紹介状があるとすぐに精密検査のできる施設を初診することができ、高額な割り増し料金もかかりません。

     健診で精密検査が必要とされた所見が乳房のどの位置にあるのか、良悪性いずれを疑っているのか明記していただけるとその後の検査がスムーズに進みます。左右いずれかに所見があるのか記載されていない報告書さえいまだにあります。超音波検査による乳癌健診結果として「乳腺腫瘍の疑い」、「右乳腺腫瘤」と記載されているだけでは乳房のどの位置に所見があるのか、乳癌を疑っているのか良性疾患を疑っているのかわかりません。そのために無駄な検査を行わなければならないことがしばしばあります。MRIや生検まで必要となることもあります。精密検査を要する所見が認められた部位、悪性をどの程度疑っているか記載していただけるととても参考になります。マンモグラフィによる乳癌健診でも「左乳腺腫瘤の疑い」、「右乳腺石灰化」という結果のみで紹介されると同じようなことに悩まされます。マンモグラフィをやり直したら、のう胞と思われるFADであったり、C1-2の良性石灰化であったりすることがしばしばあります。無駄な検査と放射線被曝を受診者に強いてしまった結果となってしまいました。

     乳癌健診で精密検査が必要となった受診者方を紹介してくださる際には画像検査の読影所見について、以上のことが私たちにも分かるように情報を共有させていただけるととても助かります。速やかに正確な診断結果を出すことができます。画像ファイルをDICOM規格で提供していただけるとその後の検査の参考になります。

     このように紹介していただけると誠に嬉しゅうございます。

  • 高木 重人, 梅津 雅夫, 石川 公, 中尾 聡, 熊谷 英之, 庄田 昌隆, 原田 弘秋, 野登 はるか, 堀切 愛, 田茂 和歌子, 山 ...
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 606-610
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス

     新型コロナ禍による健診受診控えから、早期がん発見機会の減少が懸念されている。新型コロナ禍前 (2019年度) および後 (2020、2021年度) の、当院における健診受診者総数と、健診で発見された悪性疾患を部位別 (乳腺、大腸、肺、胃、子宮、その他) に集計し、検索しえた範囲で早期がんの割合を求めた。巡回健診は新型コロナ禍の影響を大きく受け、2019年度 (134,906人) から2020年度 (95,745人) 大きく落ち込み、2021年度 (112,004人) も新型コロナ禍前の水準に達しなかった。外来健診は、2020年4月に当院がみなとみらい地区へ移転して、受け入れ可能数が増えたこともあり、増加傾向 (2019年度29,144人、2020年度35,087人、2021年度43,873人) となった。受診者総数は、巡回健診の落ち込みが大きく、2021年度も新型コロナ禍前 (2019年度) の水準まで回復しなかった。発見がん数は受診者総数とは比例せず、増加傾向 (2019年度177例、2020年度200例、2021年度214例) となった。特に2020年度大腸がん発見数の増加が顕著 (2019年度30例→2020年度59例) であり、早期がんの報告が増加していたが、発見がん全体でみると、早期がんの割合は低下傾向であった (2019年度38.5%、2020年度36.2%、2021年度35.1%)。新型コロナ禍にあっても、健診・予防医療の重要性に変わるところはなく、今後も健診会場における感染対策を徹底して、精度管理の向上に努めたうえで、健診事業を継続していきたい。

  • 下澤 達雄
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 611-616
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス
  • 蓮井 康嗣
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 617-627
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス

     臨床検査を安心して行い、検査データの信頼性を確保することは、医療の質の向上、また患者への適切な医療を提供するために不可欠かつ重要な役割を果たしている。近年、検査の品質向上のため臨床検査室認定の一つである国際標準化機構が定めたISO 15189(臨床検査室─品質と能力に関する要求事項)認定1)を取得する検査機関が国内外で増加してきている。また平成30年12月1日から施行された改正医療法により、国内で検体検査の精度確保に関する基準が法令化された2)。この変更により、遺伝子関連・染色体検査においては内部精度管理の義務化と外部精度管理調査への参加が努力義務とされ、遺伝子関連・染色体検査以外の検体検査においても、精度管理は努力義務として位置づけられた。これにより、検体検査の精度保証の重要性が一層高まることとなった。

     シスメックス株式会社(以下、我々)は、検体検査を行う機関に対して、血球分析や尿、凝固・線溶、免疫、一部の遺伝子検査分野の分析装置、試薬、精度管理試料(以下コントロール)を、また日本では臨床化学や血清分野のコントロールを供給している。同時に、検体検査を安心して実施でき、検査室が品質の維持および向上を進められるよう、ISO 15189認定取得の支援をはじめ、外部精度管理や血球計数装置の校正等、精度保証に関連したサービスを長年にわたって実施してきた。本稿では検体検査の精度を保証する取り組みとして、以下の精度保証サービスに関連した取り組みを中心に紹介する。

    ・ネットワークを用いた外部精度管理

    ・精度保証サービスの品質マネジメントシステム(QMS)

  • 桑島 章, 神田 泰一, 長基 雅司, 北村 幸太郎
    原稿種別: 大会講演
    2023 年 50 巻 6 号 p. 628-630
    発行日: 2023/11/10
    公開日: 2023/12/30
    ジャーナル オープンアクセス

     健診当日面接を遂行するためには、すべての検査結果を当日中に集約することが必要である。腹部超音波検査においては、検査終了直後に異常所見と判定区分を記載した検査レポートを作成することが求められるため、検査を行う技師と所見を判定する医師による連携作業が行われる。

     質向上には判定誤りを減らすことが求められるため、健診受診から2-3日以内にすべての超音波所見の再判定を該当健診症例を担当していなかった別の超音波検査士が行い、判定誤りがあれば超音波専門医が確認した上で受診者に伝えている。また、技師が健診で担当した症例における疑問や、健診で見つかった悪性腫瘍の症例の紹介を討議するための超音波症例カンファレンスを定期的に実施して質向上を目指している。

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