総合健診
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青壮年男性の血清脂質に及ぼす喫煙の影響―1991年度と1995年度の比較調査―
中山 美子中山 浩二半田 俊之介小川 哲平
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2003 年 30 巻 3 号 p. 339-345

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抄録
喫煙者の血清脂質にはいくつかの特徴があるとされている。我々は健診センターを受診した30, 40, 50代男性の健診成績から, 青壮年男性喫煙者のライフスタイルと血清脂質の特徴について, 年代別に比較して報告した。ニコチンの作用のみならず, 喫煙者に多く見られるライフスタイルや食習慣が喫煙者特有の血清脂質を呈する原因と考えた。今回は1995年度の健診成績をもとに, 青壮年男性喫煙者の血清脂質と食習慣, ライフスタイルの関連を検討, 前回1991年度の調査成績と比較し喫煙者の特徴を再確認することを目的とした。その結果, 青壮年男性の喫煙群では非喫煙群と比べて, いずれの年代も総コレステロール, LDL-コレステロール, HDL-コレステロールが低い人が多く, 中性脂肪は高い人が多かった。高齢群ほど差が明らかであった。喫煙群は肥満度が低く, 食事回数は少なく, 少食で, アルコールを多量に摂取する人が多かった。以上の特徴は1991年度と1995年度の比較で変わりなく青壮年男性喫煙者の特徴と考えることができる。青壮年男性の喫煙者の血清脂質は, 代謝に及ぼすニコチンの作用だけでなく肥満度や食習慣と密接に関係していると推測される。
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