総合健診
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改良Hoffmann近似法による静岡県での基準範囲の検討
―福岡県基準範囲および非線形最適化法による性別・年齢別基準範囲との比較―
高島 吉則田内 一民菅野 剛史勧山 正弘高木 義弘
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2005 年 32 巻 5 号 p. 423-428

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抄録
我々は, 健診を実施している静岡県内の3施設から集められた15万人のデータから15項目に及ぶ, 性別, 年齢別の基準範囲を改良Hoffmann近似法により算出した。
この基準範囲を, これまでに求められ日本国内で広く認められつつある福岡県医師会の基準範囲, 東海大学の大櫛らによって求められた, 非線形最適化法を利用した性別・年齢別基準範囲と比較検討した。特に, 大量のデータを利用して求められた大櫛らの性別・年齢別基準範囲とは詳細に比較検討した。
項目によっては, 多少の差は認められたが, グルコース, 尿酸総コレステロール, およびアルカリホスファターゼにおいては大櫛らのデータと一致する結果が得られた。また, 多少の差を認めた項目に関しては, 基準範囲の計算手順, 静岡県のデータを求めた集団の特性などが検索される必要があると思われた。これらの結果は, 仮に施設問の検査データの相互互換性が外部精度管理調査などで保障されるならば, 基準範囲はこの大規模な母集団を基準母集団とし検査室間の共同作業で求めるべきであることを示し, 求めた基準範囲を相互に共同で利用すべきことを示唆している。
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