日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
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ISSN-L : 1881-2503
総説
米国AHRQによる医療安全文化評価指標の開発状況と日本への適用可能性について
城川 美佳藤田 茂瀬戸 加奈子松本 邦愛平尾 智広長谷川 敏彦長谷川 友紀
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2010 年 11 巻 1 号 p. 2-14

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抄録

 医療安全を確保、促進するためには、医療安全文化の醸成が重要である。医療安全文化の構成要素として、これまでいくつかの概念が提案されているが、定量的評価を目的とした評価ツールはこれまで開発されていない。米国Agency for Healthcare Research and Qualityは施設類型別に医療安全文化評価票を作成し、そのデータを収集、分析し、医療安全向上のための活動に用いている。現在までに開発された評価票には、病院、療養施設、診療所を対象としたものがある。各評価票は職員を回答者とする自記式アンケート方式であり、それぞれ3領域、12カテゴリによって評価する構造を持ち、カテゴリは施設の役割を反映した構成になっている。日本の3病院での試行結果からは、当該評価票の日本での導入の可能性は高いと考えられるが、今後、その信頼性、妥当性について検討する必要があると考えられる。

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© 2010 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
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