日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
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事例報告
急性期病院における人員配置システム構築のための概念モデル
DPCコードと看護必要度の紐付
真下 綾子駒崎 俊剛鳥村 祥子山元 友子村岡 修子
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キーワード: 看護必要度, DPC, 概念モデル
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2015 年 15 巻 4 号 p. 256-260

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抄録

 本研究の目的は、急性期病院においてDPCコードと看護必要度の紐付を行い、特定の疾患、治療における看護必要度の推移を明確にし、看護職員配置システム構築のための概念モデルを検討することである。500床以上の急性期病院1施設1病棟(外科系)を対象施設とし、入院患者のDPCコード及び看護必要度、また、看護職員のラダーレベルのデータを収集した。データ収集期間は、2010年10月の1ヶ月間とした。患者のICD疾患名及び手術有無のコードごとによる看護必要度を、それぞれA得点及びB得点として平均値を算出し、入院日を0日とした看護必要度得点の経過を検討した。一般的な1疾患(胃の悪性腫瘍)の結果を抽出し、看護必要度A得点及びB得点の推移をグラフ化した。さらに、外科系病棟における1ヶ月間の看護必要度A得点及びB得点の推移と、看護師のラダーレベルと人数を掛け合わせた看護力ポイントの推移を調べて看護力の経過を確認した。

 結果として、患者が手術有の場合、バリアンスを除外して看護必要度の推移を確認することにより、看護ケアニーズの経過をより高い精度で予測できる可能性が示唆された。さらに、病棟の1ヶ月間の看護力は土曜日と日曜日に低くなっているため、急な重症度患者数の増加等にも対応できるように、柔軟な看護職員配置を可能とする体制が不可欠である。

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