医療マネジメント学会雑誌
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血糖コントロールクリティカルパスによる医療の質の向上
小堀 祥三矢野 美由紀野満 郁高橋 毅東 輝一朗宮崎 久義
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2002 年 3 巻 2 号 p. 262-266

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抄録

糖尿病患者に対して使用した2週用血糖コントロールクリティカルパス (CP) の有用性を明らかにするたあに3週用CPと2週用CPの在院日数、予定達成率および退院基準達成率を比較検討した。3週用CPと2週用CPの比較では予定達成率を除いて、患者数、年齢、在院日数および退院基準達成に有意の差はみられなかった。退院基準非達成者を除いて比較検討すると、患者数、年齢にはは有意の差はなく、在院日数は21.3±7.7日対18.2±7.5日とp=0.02で2週用CP群が有意に短縮した。予定達成率は57.6%と42.6%で有意の差はみられなくなった。さらに、予定達成バリアンスの是正を行い連続して使用した2週用CP群を前期と後期の30名と31名に分けて比較すると、年齢は59.3±14.7歳対65.9±10.0歳で後期がp=0.05と有意に高齢にもかかわらず、在院日数では20.4±7.27日対16.0±7.3日とp=0.02で後期が有意に短縮した。しかも予定達成率も26.7%対58.0%とp=0.02で後期が有意に向上した。在院日数バリアンスとしては患者要因53件 (回復の遅延33件、理解力不足19件、合併症の出現1件) 、職員要因20件 (インスリン療法導入遅延) 、病院要因8件であり、退院基準達成バリアンスはすべて患者要因で14件認められた。

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