医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6793
Print ISSN : 1345-6903
ISSN-L : 1345-6903
クリティカルパス導入効果について
胃がん切除クリティカルパスを中心に
若月 俊郎谷田 理板持 美由紀斉木 玲子青戸 智恵理
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 5 巻 2 号 p. 334-338

詳細
抄録
クリティカルパス導入による経済性, 医療の標準化および患者満足度についての効果を, 胃がん切除症例を中心に検討した. 当院では2001年8月から本格的に胃がんをはじめとする14種類のクリティカルパスの運用を開始した. クリティカルパス開始前後2年間における経済性を外科病棟の在院日数, 新入院患者数, 胃幽門側切除症例 (156例: クリティカルパス実施前74例, クリティカルパス実施後82例) の総額医療費, 1日平均医療費から検討した. 医療の標準化を同じ症例群で食事開始, 輸液, 抗菌薬投与期間, 術後入院日数, 胃管, ドレーン抜去日などの各診療行為から検討した. 患者満足度はアンケート調査に拠った. クリティカルパス運用により在院日数は短くなり, 新入院患者数は増加した. 胃幽門側切除症例における総額医療費は減少したが, 1日平均医療費は増加した. 各医師間で医療の標準化が進み, 有意差を持って各種ドレーン抜去が早くなり, 点滴投与, 抗菌薬投与期間が短縮された. 結果として早期離床が進み, 退院も早くなった. 合併症は, クリティカルパス実施後で有意差はないものの減少した. アンケート調査による患者満足度は極めて高く, 患者のみならず家族も積極的に治療に参加するようになった. クリティカルパス導入により周術期の標準化が可能となり, 経済性効果, 患者満足度を高めることができた.
著者関連情報
© 医療マネジメント学会
次の記事
feedback
Top