抄録
パワーモジュール,LEDなどの電子デバイスの小型・高集積化に伴い,構成部品の発熱量が増大している。本研究では,発熱に伴う熱応力によるデバイスの損傷の抑制を目的に,高熱伝導性と熱応力緩和性を両立する新規複合材料を創製し,その熱的機能を検証した。
トポロジー最適化による熱応力緩和設計を基に,アルミニウム箔と配向性グラファイトシートを非接合状態で積層したロール型複合材を創製した。本複合材を介して接合したセラミックス/金属構造体を用いて,本複合材の非接合界面により材料の熱膨張差が解消され,熱応力が緩和されることを実証した。また,配向性グラファイトシートを複合化しているため,高い熱伝導率を示した。