エレクトロニクス実装学会誌
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19 巻, 6 号
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巻頭言
特集/最新のロボット技術
平成27年技術賞受賞講演
  • 高根沢 伸, 村井 曜, 宮武 正人, 小竹 智彦, 橋本 慎太郎, 安部 慎一郎, 竹越 正明, 尾瀬 昌久, 森田 高示, 岩崎 富生
    2016 年 19 巻 6 号 p. 421-426
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    近年,半導体パッケージにおいて,モバイル通信機器の高速化や高機能化に有利な3次元化が進んでいる。このため,半導体を実装する基材は,薄型化への傾向が強まっている。しかし,基材が薄くなると基材全体の剛性が低下するので反りが発生しやすくなる。この反りを抑制するためには,基材の低熱膨張率化が必要である。当社は,多環式樹脂に着目した低熱膨張率基材の開発に取り組んだほか,分子シミュレーションを用いた低熱膨張樹脂の指標化導出を行ってきた。本稿では,①低熱膨張率を示す多環式樹脂の特徴とスタッキング効果の検証,②相溶化エネルギを指標とした低熱膨張樹脂の設計を中心に報告する。
  • 渡邉 裕彦, 浅井 竜彦, 外薗 洋昭, 齋藤 俊介
    2016 年 19 巻 6 号 p. 427-434
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    産業用電子機器製品では,高い信頼性や安定した接合品質が求められる。Sn-Ag-Cu系鉛フリーはんだの特性向上や接合界面の信頼性向上を目的に,NiとGeを微量に添加することで,界面反応相の生成や酸化抑制効果を明らかにしてきた。
    数百ppmの微量添加元素を添加することで,接合界面反応相では,Cu-Sn系化合物から,粒状のCu-Sn-Ni系化合物に変化させたことにより,界面反応相成長の制御が可能になることが明らかになった。また,酸化防止材である微量のGeは,Ni添加による粒状化合物の生成を阻害することなく,既存の酸化防止材であるPよりも優れた接合信頼性を示すことを確認した。Sn-Ag-Cu系鉛フリーはんだへのNi,Ge添加したはんだ材料は,実用化されており,産業用電子機器に約15年を超え,多くの産業用電子機器への適用実績がある。またその実績や微量添加元素の有効性が認められ国際規格であるISO9453に登録され,国内JIS規格への登録も決まっている。ここでは,Sn-Ag-Cu-Ni-Ge系はんだ材料の実用化に向けたさまざまな技術課題に対する取り組みの一部を紹介する。
研究論文
  • 押切 絢貴, 梅田 泰, 田代 雄彦, 本間 英夫, 高井 治
    2016 年 19 巻 6 号 p. 435-440
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    回路基板上に実装する方法として電極パッドと基板を電気的に接続するワイヤボンディング法が利用されている。しかし近年の小型,軽量化を進める上でワイヤーのスペースが障害となっている。そこで新たな実装方法としてワイヤーを使わずに直接接続するフリップチップ法が注目されている。電極材料の多くはアルミニウムが使われており,一般的にアルミニウム上へのめっきにはジンケート法が用いられている。しかし,亜鉛置換浴は強アルカリ性,強酸性であるため,電極のエッチングロスやポリイミドへのダメージが懸念される。そこで,電極上へ無電解NiBめっきによりニッケルの微粒子を析出させ,続けて無電解NiPめっきで厚付けを行うことでジンケート処理を行わずにめっきを成膜した。その後,選択的なUV改質処理を行うことでポリイミド絶縁膜に対して配線を形成することが可能であった。
  • 山田 由香, 北條 浩, 木村 英彦, 川本 敦史, 松森 唯益, 近藤 継男
    2016 年 19 巻 6 号 p. 441-450
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    パワーモジュール,LEDなどの電子デバイスの小型・高集積化に伴い,構成部品の発熱量が増大している。本研究では,発熱に伴う熱応力によるデバイスの損傷の抑制を目的に,高熱伝導性と熱応力緩和性を両立する新規複合材料を創製し,その熱的機能を検証した。
    トポロジー最適化による熱応力緩和設計を基に,アルミニウム箔と配向性グラファイトシートを非接合状態で積層したロール型複合材を創製した。本複合材を介して接合したセラミックス/金属構造体を用いて,本複合材の非接合界面により材料の熱膨張差が解消され,熱応力が緩和されることを実証した。また,配向性グラファイトシートを複合化しているため,高い熱伝導率を示した。
  • 中村 由利絵, 三村 研史
    2016 年 19 巻 6 号 p. 451-457
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    パワーモジュールにおいては,セラミックス材料に代わり低コストの樹脂複合材料を絶縁基板に用いる検討が進んでいる。樹脂複合材料を絶縁基板に用いるためには,高放熱性に加え,高耐熱性や銅など金属との接着性が求められる。本研究では,窒化ホウ素(h-BN)粒子を62 vol%と高充填して高い熱伝導率を有する複合材料において,耐熱性と接着性の向上を試みた。複合材料のベース樹脂に耐熱性の高いシアネートエステル樹脂を用い,柔軟性に富む可とう性フェノキシ樹脂を配合した。その結果,19 W/(m・K)の高い放熱性を確保しながら,耐熱性が高く,銅との接着ピール強度が8.0 N/cmと高い接着性を有する複合材料を得ることができた。
  • 原 靖彦, 田中 宏卓, 白井 健二, 滝沢 義信, 菅野 純一
    2016 年 19 巻 6 号 p. 458-465
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    本研究は,梨地テクスチャ画像の中にある局所的な濃淡むらの抽出を目的とした。むらの抽出を行う手法の1つにむらが存在する背景の輝度値を求めて,この背景輝度値と注目点の輝度値との差を求めることによりむらを強調する手法がある。本研究ではこの手法を基本として「局所濃淡むら強調空間フィルタ」を提案した。この空間フィルタは,フィルタ外径より小さなむらを強調する効果がある。また空間フィルタの外径(スケール)を変化させながら得た結果を統合することにより種々の大きさのむらを同時に強調した画像を得ることを試みた。その結果,梨地テクスチャを抽出することなく種々の大きさのむらを良好に抽出することができた。
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