抄録
高電圧動作が可能なマイクロ波GaN FETを用いた高速スイッチング電源では大電力動作による自己発熱が設計精度に影響を与えることが確認されており,その詳細を調べるために熱・電気連成シミュレーションに基づき解析を行った。スイッチング周波数を10 MHzから数GHzに変えたときのシミュレーション結果と簡略化された理論値とを比較したところ,高い周波数において出力電力,電力効率,GaN FETの動作温度に違いが現れた。また,パルス幅変調により出力電圧が変調周波数2.5 MHzで変化する場合,GaN FETの動作温度は時間的変動を示し,その変動幅は周囲温度からの上昇値の44%程度であることが推定された。