論文ID: JIEP-D-24-00028
電波望遠鏡のIF帯域のさらなる広帯域化のため,筆者らは受信機の主要なコンポーネントである広帯域90度ハイブリッドカプラの開発についてストリップ線路構造を用いて進めている。しかし,プリント回路板の基板間に生じる空気層などの影響により高周波側の特性が悪化し,性能要件を満足することができていない。そこで特性を改善するための構造最適化手法について検討を行った。電磁界シミュレーションの結果からThruおよびCoupledの特性に着目することで理想結合線路のパラメータを抽出し,その結果をもとに線路の寸法を電磁界シミュレーションにて調整する手法を提案し,周波数特性を大きく改善することができた。