1998 年 1 巻 6 号 p. 483-488
電子機器の小型化に伴い, プリント配線板の導体密度が増加している。このような要求に対して, ビルドアップ工法が注目されてきた。このビルドアップ工法はコア材の基板上に導体層と絶縁層を連続的に積層する新しい製造工法である。この工程には, 絶縁層の選択, ビアホールの形成, ファインパターンの形成の要素技術が必要である。また, 導体層と絶縁層との密着強度は, 接続信頼性を向上させるために重要である。本研究では, 密着強度を向上させるために, 無電解銅めっき浴に添加剤を添加し評価した。密着強度はフォトビア形成樹脂とアンクラッド樹脂を用いて測定した。その結果, チオシアン酸カリウム添加浴を用いた場合, フォトビア形成樹脂では, 密着強度は1.14kgf/cm, アンクラッド樹脂で1.43kgf/cmであり, 引きはがした樹脂の断片がはがした銅箔面に残っていた。一方, 無添加浴およびチオリンゴ酸添加浴では密着強度は向上しなかった。