2008 年 11 巻 4 号 p. 285-291
高機能システムLSIを実現する三次元フリップチップ実装構造において, 実装構造全体の曲げの中立軸からの距離に依存して各チップの平均残留応力値が変化するだけでなく, 各チップの厚さや積層チップ上下のバンプ相対位置関係などの構造因子に依存して, 各チップ内の残留応力分布も大きく変化することを有限要素法解析により明らかにした。また, このチップ内の局所的な残留応力分布は, 構成部材問の線膨張係数差と弾性率差からなる材料因了の影響を受け複雑に変化することも示した。三次元フリップチップ実装構造の信頼性を向上させるためには, これら独立に作用する材料因了と構造因子を考慮した材料の選択や構造設計が重要となることを示した。