日本食生活学会誌
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青年期男女の健康観と食生活に関する研究
大野 佳美大坪 芳江井澤 美佐代押谷 奈緒子岸本 麻紀長田 久美子田村 俊秀石津 日出子笠井 八重子
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2003 年 14 巻 3 号 p. 177-184

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抄録
兵庫, 奈良, 岡山の大学に通う19~24歳の大学生 (男子329名, 女子406名) を対象に健康と食生活に関するアンケート調査を実施した.
1) 調査対象者の多くは健康に興味・関心をもっており, それらに関する知識の情報源は「テレビ・ラジオ」が多かった. しかし, 健康よりも男子では「遊び」「恋愛」に, 女子では「美容・ファッション」「遊び」に対する興味・関心の方が強かった.
2) 健康のために心がけて摂取している食品群は「乳類・乳製品」, 「緑黄色野菜」や「淡色野菜」の野菜類で, 健康食品は「足りない栄養を補う」ためであったが, 利用頻度は低かった.
3) 健康のために重要視するのは「睡眠時間」, 「栄養バランス」で, 「運動」は少なく, また, 女子では「特に運動をしていない」が約43%存在した.
4) 外食の多くは昼食と夕食で, 男子では「洋食定食」を女子では「洋食一品料理」を選択し, 男女差があった.
5)「健康に興味・関心がある」者ほど日常の食事に気をっけ, 積極的に情報を得ており, 食生活の自己評価が高かった. 自己評価の高い者ほど外食や市販菓子の摂取頻度が低かった.
6) 食生活を充実させるという「強い意志」が食生活改善に必要であるとの回答が多かったことから, 若者では健康・栄養に関する知識があり, 健康の大切さを認識していてもそのための実践が伴わない者が多いことが示唆された.
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