日本食生活学会誌
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女子学生とその母親の欠食状況と健康との関係
東川 剋美古崎 和代菊地 和美薗田 雅子平井 和子
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2003 年 14 巻 3 号 p. 185-193

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抄録

女子学生とその母親の食生活と健康に関連する意識を検討するために, 北海道札幌市周辺の女子学生259人 (平均19.4歳) とその母親259人 (平均48.4歳) についてアンケート調査を行った.
1) 健康を保つのに適した食生活を “している” と答えた学生は54%, 母親は71%で, “していない” は学生 (20%), 母親 (5%) で差がみられた (p<0.001). 健康についての意識と欠食との関連性についてみると, 欠食習慣のない学生・母親両群は健康に適した食生活を “している” と, 半数以上が回答し, 欠食習慣のあるものは健康な食生活を “していない” と (学生39%, 母親56%) 意識しており, 健康な食生活の意識と欠食との間に関連性がみられた (学生p<0.05, 母親p<0.001).
2) 健康と深く関わる排便との関連性では, “毎日排便” のある学生 (22%) は母親 (45%) よりも少なく, 排便回数が週に3回以下の “便秘傾向” の学生 (19%) は母親 (7%) と比べて多かった (p<0.001). 欠食習慣の有無と便秘との関連性については, 欠食習慣のある者は排便が “不規則”(学生23%, 母親11%) との割合が多い傾向がみられた.
3) 欠食習慣の有無と摂取食品に関連性がみられ, 欠食習慣のある学生は, 魚介類, 卵, 緑黄色野菜, 海藻の摂取頻度が低く, いずれも有意差が認められた.

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