日本助産学会誌
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総説
妊娠期の茶の摂取による早産およびSmall for gestational ageへの影響に関する系統的レビュー
原田 梨央白石 三恵
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2019 年 33 巻 2 号 p. 128-141

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抄録

目 的

茶に含まれるカフェインやカテキンが,早産やsmall for gestational age(SGA)に影響を与える可能性が指摘されている。本レビューは,妊娠期の茶の摂取による早産やSGAへの影響を明らかにすることを目的とした。

方 法

電子データベース検索(PubMed,CINAHL,CiNii,医中誌)およびハンドサーチを行い,2019年7月までに公表された和文・英文文献を検索した。包括・除外基準に基づくスクリーニングと論文の質評価を行い,レビュー包括論文を決定した。定量的統合には,Mantel-Haenszel検定を用いた。

結 果

11件の論文をレビューの対象とした。茶の種類によらず茶の摂取量と早産の関連を調査した5件のうち,茶の摂取量の分類基準が同等である3件の定量的統合の結果,妊娠中の茶の摂取が多い群(週3杯または1日1杯以上)は,少ない群に比べて有意に早産のリスクが高かった[Odds ratio (OR)=1.32, 95%Confidence interval (CI)=1.06-1.63]。茶の種類別で早産との関連を調査した7件中3件では,緑茶,日本茶・中国茶,紅茶の摂取量と早産の有意な関連が示されていた。緑茶と紅茶については,それらの茶の摂取量による早産への影響についての定量的統合を行ったが,有意な関連は見られなかった[OR (95%CI)=1.19 (0.75-1.88), 1.07 (0.74-1.54)]。茶の摂取量とSGAの関連を調査した7件のうち1件で,カフェイン100mgに相当する紅茶の摂取増加につき,SGAのリスクが増加した[Adjusted OR (95%CI)=1.2 (1.1-1.3)]が,定量的統合の結果,有意な関連は見られなかった[OR (95%CI)=1.19 (0.66-1.44)]。

結 論

茶の摂取量が多い妊婦では,早産のリスクが上昇することが,定量的統合により示された。一方で,茶の摂取とSGAとの関連は包括論文から一貫した結果は得られず,定量的統合でも有意な関連は見られなかった。しかしながら,この関連についての研究はまだ少なく,更なる検討が必要である。妊娠期の保健指導では,茶の習慣的な摂取量を把握するとともに,多量の茶の摂取による早産のリスク上昇の可能性を妊婦に説明することが必要である。

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