キク科コウヤボウキ属カシワバハグマ節(またはカシワバハグマ属)の日本固有種オヤリハグマは,最近では,Pertya trilobaまたはMacroclinidium trilobumのように,形容詞trilobusを種形容語とする学名が用いられている.しかし,これらは,類似した形容詞trilobatusを種形容語とするM. trilobatum Makinoと「同じタイプに基づいた混同しやすい類似の学名」であるため,両者は正字法上の異形体として扱われる(国際藻類・菌類・植物命名規約 第61.5条).したがって,コウヤボウキ属のもとでは,もっとも早く正式に発表されたMacroclinidium trilobatum Makinoに基づくPertya trilobata (Makino) Makinoが正名である.また,オヤリハグマとカシワバハグマの雑種とされていたセンダイハグマ(P. ×koribana)は,染色体数や外部形態,予備的なDNA解析においては,雑種とする積極的な根拠は無く,オヤリハグマの無裂葉型として扱うのが適当である.