日本外傷学会雑誌
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日本外傷学会将来計画委員会報告:J-OCTET
重症外傷患者における搬入時のD-dimer高値はフィブリノゲン値に関係なく予後不良を示唆する
早川 峰司前川 邦彦久志本 成樹萩原 章嘉齋藤 大蔵佐々木 淳一小倉 裕司松岡 哲也植嶋 利文森村 尚登石倉 宏恭武田 宗和金子 直之加藤 宏大友 康裕横田 裕行坂本 照夫田中 裕白石 淳工藤 大介金村 剛宗渋沢 崇行萩原 靖古郡 慎太郎仲村 佳彦村田 希吉真山 剛矢口 有乃金 史英高須 修西山 和孝
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キーワード: 線溶, 大量出血, 組織損傷
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2016 年 30 巻 3 号 p. 331-340

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抄録
 目的 : 外傷急性期におけるフィブリノゲン (fibrinogen, 以下Fbg) 低値は予後不良を示唆する. D–dimerは線溶亢進の指標であり外傷重症度を反映するが, 予後予測におけるFbgとの関係は明らかにされていない. 今回, 搬入時のD–dimer高値がFbg値に関係なく予後不良を示唆する可能性を検証した. 方法 : Japanese Observational Study for Coagulation and Thrombolysis in Early Trauma (J–OCTET) データベースを用いて, 来院24時間以内における10単位以上の赤血球輸血, もしくは24時間以内の死亡を転帰不良と定義した. ROC曲線を用いて, 搬入時のFbg値とD–dimer値の転帰不良に対する閾値を求め, その閾値に基づいた群分けを行い比較した. 結果 : 転帰不良に対する閾値はFbg=190 mg/dLとD–dimer=38 mg/Lであった. この閾値に基づき, (1)D–dimer低値/Fbg高値, (2)D–dimer低値/Fbg低値, (3)D–dimer高値/Fbg高値, (4)D–dimer高値/Fbg低値の4群に分けた. (4)群の生存率は他の3群よりも有意に低値であった. (3)群の生存率は, (1)群および(2)群の生存率よりも有意に低値であった. 結語 : ISS16以上の成人重症外傷においては, 搬入時のD–dimer高値は, Fbg値に関係なく, 予後不良の予測因子である.
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© 2016 一般社団法人 日本外傷学会
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