抄録
本研究の目的は,保育実習生の実習を通した動機づけプロセスとコーピング仮説について,ワーク・エンゲイジメントの仕事要求度-資源モデル(JD-Rモデル)に基づき,学年による相違を考慮して検証することであった。保育者養成系の女子短期大学の258 名を対象に,計2回の質問紙調査を行った。動機づけプロセスを多母集団同時分析のパス解析により検証した結果,保育職の適性感,保育者効力感,指導教諭の実習生の自己成長を促す指導スタイルは,実習中のワーク・エンゲイジメントを媒介に実習成果を高めるというプロセスが確認された。また,コーピング仮説を階層的重回帰分析と単純傾斜検定を用いて検証した結果,1年生におけるコーピング仮説が部分的に支持された。幼児指導と幼児との接触法の困難度は,保育職の適性感と保育者効力感がワーク・エンゲイジメントに及ぼす影響の調整変数として機能していることが示唆された。