日本外科系連合学会誌
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症例報告
局所切除術後に診断された高齢者の直腸肛門部悪性黒色腫の1例
田邉 和孝, 藤田 眞一, 田中 宏和
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2015 年 40 巻 2 号 p. 298-302

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抄録
悪性黒色腫の中でも粘膜型悪性黒色腫は早期に自覚症状が出難く血流が豊富な消化管粘膜などに多く転移を生じやすいため特に予後不良である.今回われわれは局所切除術後に診断された直腸肛門部悪性黒色腫の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.症例は84歳の女性で下血を主訴に来院した.精査で直腸肛門部にポリープを認めたため経肛門的に切除したが,術後の病理検査結果にて悪性黒色腫であり垂直断端陽性が疑われた.追加切除を施行したが今度は口側断端陽性の疑いがあり,根治切除目的に腹会陰式直腸切断術を提案したが希望されず.化学療法も生命予後改善のエビデンスがないことから希望されなかった.遠隔転移がなく高齢であることなどからFeron維持療法を施行したが,初回手術から6カ月後に直腸局所再発を,8カ月後には多発肝転移を認めた.積極的な化学療法を施行しなかった点を考慮しても,本疾患の悪性度の高さを再確認する結果となった.
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© 2015 日本外科系連合学会
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