抄録
症例は22歳男性で,虫垂炎術後イレウスのため長期入院となった.治療経過中に高熱が出現し,血液培養でCandida kruseiが検出され,イレウスに伴うbacterial translocation(以下,BTと略記)から菌血症を発症したものと考え,抗真菌薬の投与を開始した.また,眼底検査で真菌性眼内炎の診断に至り,長期的な抗真菌薬の投与を要した.基礎疾患のない若年成人において,イレウスから真菌性眼内炎を呈した症例は報告を見ない.真菌性眼内炎は治療に遅れが生じると不可逆的な視力障害を呈する病態である.イレウスの経過中に高熱を呈した場合,菌血症から本症を発症することを念頭に置き早期から眼底検査などの眼科的介入が肝要と考えられた.