2020 年 45 巻 3 号 p. 270-274
症例は16歳の男性.修学旅行中に上腹部痛を認め,搬送先の病院で急性膵炎と診断され入院となった.その際に腹部CTで膵頭部に8cm大の腫瘤を認め,膵炎治療後に精査加療目的で地元の病院へ紹介となった.超音波内視鏡下穿刺吸引法で膵神経内分泌腫瘍G1と診断された.手術を勧められたところ,ロボット手術を希望され,当科へ紹介となった.ロボット支援下膵頭十二指腸切除術を施行し,合併症なく術後25日目に退院となった.病理組織学的には非機能性膵神経内分泌腫瘍G2であった.膵神経内分泌腫瘍は比較的高齢者に多く,10代発症は稀である.今回われわれは急性膵炎を発症した若年性膵神経内分泌腫瘍に対し,根治性・整容性を兼ね備えたロボット支援下膵頭十二指腸切除術を施行した1例を経験したので報告する.