2019 年 48 巻 1 号 p. 65-68
症例は,53歳女性.急性大動脈解離A型に対して,上行弓部置換(J-graft 24 mm,Open Stent Graft併用),CABG(SVG-RCA)を施行した.術後,退院にむけてリハビリテーションを励行中(術後33,38日目)に右下肢急性動脈閉塞を発症し,血栓除去を行った.どちらも右総大腿動脈閉塞で器質化血栓を認めた.周術期不整脈はなく,CTで明らかな左心内血栓も認めなかったため,器質化血栓飛散の原因検索目的に血管造影検査を施行したところ,遠位弓部大動脈に位置したOpen Stent Graftの先端にentryを認め,同部から偽腔内の順行性血流を認めた.Re-entryを介した偽腔内血栓飛散による塞栓症と考え,術後48日目にTEVAR(cTAG)を施行し,以後塞栓症をきたすことなく,リハビリテーション病院へ転院の運びとなった.