2024 年 29 巻 2 号 p. 110-117
当院が位置する墨田区は、水害・震災による被災・孤立の危険性が高い。有事に備え、情報収集・自助共助の強化する手段が望まれ、熊本地震などで捜索・情報収集などで活躍したドローンの活用について検討した。当院にて導入後、他機関とドローンを活用した訓練を行ったため報告する。【訓練1: 水難事故の傷病者捜索】【訓練2: 半壊した建物の地下捜索】【訓練3: 陸路遮断による血液製剤の空輸】訓練1・2では状況把握、訓練3では物資輸送を行い、各訓練で目標設定した内容の大半を達成でき非常に良い経験となった一方、技術や経験の不足が明らかとなり、スキルアップの機会確保が課題となった。訓練を通して、医療機関のドローン所有が、災害初期や自助共助に有用であることが実感された。訓練や学会を通じてドローンの普及を進めることで、患者・職員のみならず、地域の災害対策に貢献したい。