2024 年 29 巻 2 号 p. 181-189
【目的】本研究の目的は、鹿児島県内の精神科病院が直面する災害時の避難課題を明らかにし、患者の安全確保および災害発生後の対応強化を図ることである。【方法】鹿児島県精神科病院協会の協力の下、WEBアンケートを通じて、病院における避難行動の準備状況とその課題を調査した。また、ハザードマップおよび原子力災害時の区域情報と病院の位置情報とを比較した。【結果】避難行動計画の整備や実施に大きなバラツキがあることが判明した。特に、避難訓練の未実施や検討段階である病院が多数を占め、災害時の安全確保と避難支援に関する一貫した計画や実践方法の不足が浮き彫りになった。さらに、共通した課題として専門家の支援や協力の必要性が明らかになった。【結論】精神科病院が災害対策を充実させるためには、避難行動計画の策定支援、避難訓練の実施、避難支援の具体性と一貫性の向上、専門家との連携強化が求められる。