2024 年 29 巻 2 号 p. 170-180
【目的】本研究では地域の指定避難所である大学において、学生および教職員の防災に対する認識と対策状況を明らかにすることを目的とした。【方法】地域の指定避難所である大学に所属する学生および教職員を対象に、防災に関する意識、対策についてアンケート調査を実施した。【結果】学生366名、教職員120名の計486名から回答を得た。回答者の9割は被災経験を有し、防災教育は約8割が必要と認識していた。防災に関する意識は属性による差は認められなかったが、保健医療系より工学系学生のほうが指定避難所やハザードマップについて把握していた。【考察】本研究対象者の多くは実際の被災経験から防災意識を有していたが、指定避難所やハザードマップについて十分把握しきれていない傾向もあった。被災時の生活を支える避難所に関することなど防災教育を充実させていく必要性が示唆された。