歯科材料・器械
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原著
光重合型コンポジットレジンの光透過性に関する研究 : その1 : 光透過率の経時的変化の測定
小松 光一根本 君也堀江 港三
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1990 年 9 巻 1 号 p. 102-111

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抄録
光重合型コンポジットレジンの光透過性に影響する因子を検討するために, 試作光透過量測定器を試作し, 有機複合フィラーを使用した6種の試作光重合型コンポジットレジンおよび14種の市販光重合型コンポジットレジンの透過率の経時的変化を測定した.試作光重合型コンポジットレジンの透過率は, 25〜73%と大きな値を示した.また, 透過率の経時的変化は, 透過率の増加するグループ, 最大値を示すグループ, 減少するグループに分類することができた.これは, マトリックスレジンとフィラーの屈折率の差が少なくなると, 透過率が増加する為だと考えられる.しかし, 重合中の透過率が最大値を示すマトリックスレジンの屈折率は, マトリックスレジンとフィラーの屈折率が一致したときでないことがわかった.市販光重合型コンポジットレジンを透過する光は, 照射光の半分以下に低下した.また, 透過率の経時的変化は, 3種のグループに分類でき, 今回測定した試料のほとんどが, 重合によって透過率が増加した.
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© 1990 一般社団法人 日本歯科理工学会
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