1980 年 16 巻 3 号 p. 133-140
この論文の目的は若年層ならびに中年層の自動車事故のパターンの特徴を数量化理論II類を用いて明確にすることである. 数量化理論II類は, 従来のクラスタリング手法ではないが, これを繰り返し用いるという新しいクラスタリングの方法を提案し, 若年層および中年層の2つのグループ分けを行っている. 2つのグループ分けのあとに, グループ間の特徴を同様にII類を用いて抽出している. さらに, これらの特徴に関して仮説検定を行い, 次のようなことを明らかにした. すなわち, 若年層の事故パターンはほとんど避けられる失敗に基づくものであるが, 中年層のはほとんど避けられない事故であることを数量的に明確にした. したがって, 若年層の事故は安全教育, 法的規制などによって, さらに減少させうる.