人間工学
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人間-機械系における能動操作器を用いた習熟訓練に関する一研究
末長 修井原 素三
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1995 年 31 巻 1 号 p. 21-29

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抄録
本研究は, 高度な制御技術を要する人間-機械系に対する操作者支援システム構築の一手法として, 能動操作器を用いた訓練の有用性を確かめることを目的とする. ここで能動操作器とは, 系の状態などの情報を操作者が知覚できる物理量として操作者にフィードバックし, 教示する機能を有する操作器のことである. 訓練は, 被訓練者による操作量と最適制御理論に基づいて設定される最適制御量との差に応じた力覚を, 能動操作器を介して教示することによって行った. 制御作業は後退するトレーラの位置制御であり, 被訓練者は初心者もしくは習熟者である. 能動操作器を用いた訓練の有無による制御成績の差異から, その有用性を検討した. その結果, 能動操作器を用いた訓練により, 初心者に対する習熟の速さの改善, また習熟者に対する制御レベルの維持が図られることを実験的に明らかにすることができ, 能動操作器の活用は訓練システムに有用な一手法であることが示された.
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© 一般社団法人 日本人間工学会
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