教育心理学研究
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中学生のカウンセリングにおける治療者側の要因
辻和 子
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1973 年 21 巻 1 号 p. 43-47

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抄録
本研究は中学生を対象とするカウンセリングにおいて, 治療者の態度がどのように治療に影響を及ぼすかを研究したものである。上中学生を対象にしたのは, 中学生がプレイセラピーからカウンセリングに移った過渡期にあたり, プレイセラピー的な面を多く残し, 大人のカウンセリングと比べると異質な面があると思われたからである。
治療者の態度は, 治療者の「関心の無条件性」, 「関心のレベル」, 「自分を知られることへの抵抗のなさ」, 「共感的理解」, 「自己一致」に分けられた。これらの要因に対する治療者自身の認知とクライエントの認知が, 本研究のために作成された質問紙で測定された。
その結果, 本研究の中学生のカウンセリングにおいては, 治療者の「関心の無条件性」が最も治療効果と関係が深かった。これは, 治療者が無条件的な関心をもつているとき, 中学生のクライエントは脅威を感じずにどんな種類のことも自由に表現でき, それが治療効果に影響を及ぼすためと思われる。一方, この要因は治療者の熟練度とは関係がなく, 例えば価値観だとか, お互いの好き嫌いといった, 訓練によって得られないような種類のものと考えられる。したがって, どのような治療者がどのようなクライエントに無条件的になれるかを考えることは意味があるであろう。
more expertな治療者はless expertな治療者よりもクライエントをより共感的に理解することがわかった。これは「共感的理解」が「関心の無条件性」とは逆に, 治療者が訓練によって獲得しやすいものであることを示すと思われる。
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© 日本教育心理学会
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