集団成員の能力や異質な特性に合わせて課題の再編成をどうするかというリーダーの仕事に係わってくると思われる他者の多様性の許容度を表わすものとしては, ASoは不十分であり, 抜けているところがある。それゆえ, 他者の多様性の許容度をより的確に表わす指標としてDPとDNとを考案した。
DP, DN, そしてASoに関して次のことが明らかになった。
1. DP, DNはASoと異なった認知的側面を表わしていることが確認された (Table 1)。
2. 共働者を選ぶ集団を変えても, DP得点, DN得点, そしてASo得点にあまり変化はみられなかった (Table 2)。
3. DP, DN, そしてASoは, テスト・再テストによる時間的変動がほとんどなく, 時間的安定性がみられた (Table 3)。
4. ASoが効果をもっている集団課題状況において, DPとDNの両得点が高いリーダーは, 集団の課題遂行に対してもっとも効果的であった (Table 4, 5)。