日本教育工学会論文誌
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大学入学前の情報教育に関する学習機会の調査分析 : 関西地区の国立大学を対象とした事例研究(<特集>情報教育の成果と課題)
望月 俊男熊本 悦子塚本 康夫
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2006 年 30 巻 3 号 p. 259-267

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抄録

高等学校「情報」を履修した学生が大学入学の学齢になることに伴い,大学における一般情報教育のあり方が議論されている.本研究では,とくに旧学習指導要領の教育課程の最終年度に,関西地区のある国立大学に入学した学部生2681人を対象に,情報教育の内容に関して,最初の学習機会はどのような形で持たれたかを調査した.この回答データを,学生の出身高校の学校経営形態による相違点に焦点をあてて分析した.その結果,基本的な操作技能以外の多くは未習のまま入学してきた学生が多く,学ばれていた場合でも,その最初は独学で学習することが,とくに私立学校出身者に多くみられた.したがって,当分の間は,基本的な操作技能以外に関しては十分学習可能な機会を提供する必要がある.また,私立学校出身者が多い場合には,独学で学習してきた学生に対し,その理解が適当かどうかを確認する体制も必要である.

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© 2006 日本教育工学会
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