日本教育工学会論文誌
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理科の観察・実験活動におけるメタ認知の実態とその要因構造に関する研究
木下 博義松浦 拓也角屋 重樹
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2007 年 30 巻 4 号 p. 355-363

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抄録
本研究では,まず理科の観察・実験活動における小学生のメタ認知の実態を把握し,次に小学生および中学生のメタ認知に影響を及ぼす要因構造を明らかにすることを目的とした.この目的を達成するため,小学校5,6年生327名を対象に,14項目からなる質問紙調査を行った.その結果,次の3点が明らかになった.(1)観察・実験活動において,小学生はある程度メタ認知を働かせている.(2)自分自身によるメタ認知は観察・実験の途中において強く働き,他者との関わりによるメタ認知は観察・実験の前において強く働いている.しかし,どちらのメタ認知も観察・実験の後においてはその働きが十分ではない.(3)小学生および中学生のメタ認知の働きには,教師との関わりによるメタ認知が強い影響を及ぼしている.また,友人との関わりによるメタ認知の影響は,中学生よりも小学生の方が強い.
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© 2007 日本教育工学会
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