日本教育工学会論文誌
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ブレンディッドラーニングでの学習活動の類型化に関する分析
安達 一寿
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2007 年 31 巻 1 号 p. 29-40

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抄録

大学の講義型授業をe-learningを用いたブレンディッドラーニングで実践し,学習者の活動の状況を明らかにするために,ログによる利用状況と授業後アンケートの結果を基に分析した.利用状況の分析では,学習者はブレンディッドラーニングでの教授者の意図に応じた学習活動を行っている状況が確認でき,コンテンツの利用状況と学習効果の間に関係があることがわかった.授業後アンケートの分析では,授業の特徴を示す因子として,「利便性への期待」,「コミュニケーションの実現」,「授業準備と態度の醸成」,「小テストの活動評価」の4つが抽出された.また,因子得点によるクラスタ分析を行った結果,学習者を3つのグループに類型化することができ,各グループ間で因子の傾向やコンテンツへのアクセス数に違いがあることが明らかになった.ブレンディッドラーニングを効果的に行うためには,グループの特徴を考慮した授業設計を行う必要がある.

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© 2007 日本教育工学会
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