eテストにおけるなりすましの防止を目的として手書き解答を利用した受験者認証法を提案する.多肢選択式を前提として選択肢記号をペンタブレットにより書かせ,得られる筆記情報を基に受験者が本人かどうかを判定する方法を検討した.署名照合の研究でよく用いられるDPマッチングを単純な選択肢記号にも適用できるように,文字を字画に分け,字画ごとに重みづけをおこなう手法を提案した.実試験を想定した実験環境下において得られた筆記情報に対し提案手法を適用し,照合率により認証精度を評価した.2つの実験グループにおいて得られた平均的な照合率は74.6%,67.1%であり,単純なひらがな1文字での受験者認証に対して提案手法が利用可能であることが示唆された.