本研究では,立体視可能な仮想空間での探索行動と連携して携帯端末へ学習情報を提示し,学習者個々の学びを支援するVR学習環境を開発した.そして,その環境を授業実践の観点から評価するとともに,探索時に携帯端末へ情報提示する際の接近距離の観点から実験的な検討を行った.その結果,次のことが明らかになった.開発したVR学習環境は肯定的に捉えられており,その中での携帯端末を用いた個別学習支援は効果的であること,対象物への接近距離とその距離の適切さに関する主観評価は直線性を示すこと,携帯端末での表示に必要な適切な接近距離は対象物前面の面積の増加に応じて増加すること.