本研究の目的は,教職志望学生の学部4年間での学びたい学習内容の変容過程を検討することであった.そのため,学生44名を対象に,4年間の各時期において学び続けたいと感じていた程度を回想法により調査した.その結果,(1)ほとんどの学習内容は1,2年から3年の実習前にかけて得点が上昇し,安定するパターンと,実習直後に再度上昇するパターンに分類できること,(2)「子どもとの相互理解を通した信頼関係の築き方」は唯一1年から2年で上昇すること,(3)「教員の役割や職務内容」「保護者対応」に関しては,各段階で常に上昇すること,(4)どの学習内容も時系列上で得点が低くなることはないこと,の4点が主に示唆された.