日本教育工学会論文誌
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大学生を中心とした持続可能な学習支援組織の構築とピア・チュータリング実践(<特集>大学教育の改善・FD)
椿本 弥生大塚 裕子高橋 理沙美馬 のゆり
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2012 年 36 巻 3 号 p. 313-325

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抄録

近年,高等教育が求める学力と学生の基礎学力との間の大きな差が問題視されている.それを受けて,正課外での学習支援の必要性が生じてきている.国内外では,学生が学生を教えるピア・チュータリングの試みが注目されつつある.本研究では,学生を中心とした学習支援組織とそのための空間である「メタ学習ラボ」を構築し,メタ学習,すなわち学習方法の学習を目的としたピア・チュータリング活動を行った.活動の準備として,チューター育成研修や学習空間の設計を行い,ピア・チュータリングを実施した.チュータリングでのチューターは,問題の解答を教えるのではなく,学習者に質問し,学習者自らが学習方法の問題に気づくことができるよう促した.その結果,学習者には,チュータリングによる自らの学習方法へのメタ認知の促進効果や,学習意欲の向上効果が得られる可能性が示唆された.

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© 2012 日本教育工学会
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