全国の幼稚園のうち,無作為抽出された500園(返信数264園,回収率52.8%)を対象に,園務のコンピュータ利用状況や情報化による利便性の評価,さらに,園務の情報化への不安や,導入に際し必要と考える支援等について調査した.その結果,園務にコンピュータを利用している園は全体の81.8%で,主な内容は,行政機関との書類の送受信(59.5%),園児基本台帳の作成(49.2%)などであった.また,この結果を校務情報化調査の先行研究(堀田ほか2011)と比較すると,校務支援システムの利用内容が多い教師ほど肯定的に評価するという点で合致していた.今後の課題として,導入への不安や支援のニーズが高い内容をもとに解決方法を検討すべきと考えられた.